2009年5月1日金曜日

はじめに:一年前…

私の妻は、昨年12月1日、35歳の若さで、この世から旅立ちました。

卵巣がんでした。



あれから5ヶ月。私と残された三人の子供たちの日々の生活は、家族や親戚など周囲の助けもあり、落ち着きを取り戻しつつあります。それでも…この時期になると、一年前を思い起こし、心に痛みを覚えずにはいられません。

そう、ちょうど一年前の5月1日。妻は、浜松市の医療センターに緊急入院する事になったのです。



少し時間を遡ります。

その三週間ほど前の4月上旬より食欲を無くしはじめ、体調の不良を感じだした妻は、近所の内科医の診察を経て、地元の病院で検査を受けました。

検査の理由は「卵巣腫瘍の疑いがある」ということでした。

そのときの私は、今考えれば無知もいいところでした。腫瘍といえば、腫れ物の類いだと思っていて、最悪切除すれば良い、程度にしか考えていませんでした。

ところがその日を境にして見る見ると腹はふくれあがり、妻の苦痛は増していくばかり。

そして…検査結果を地元病院の医師から告げられました。「卵巣腫瘍、すなわち卵巣がん」であると。

「がん」と言われれば、無知な私でもさすがに慌てない訳には行きません。

地元の病院では治療は無理、ということだったので、浜松の大きな病院を紹介してもらいました。予約は5月2日でした。

予約までの数日間、私はGWの連休を控えて仕事を休めなかったため、子供達が学校に言っている間、妻は一人不安に苛まれながら、横になっているしかありませんでした。しかし、お腹に溜まっているという水は日に日に増えるばかり。まるで妊婦かと見まがうほどになりました。体を横たえているのも辛そうな妻の姿を見て、翌日に予約を控えた5月1日、予定を繰り上げてもらい、医療センターで診察してもらう事にしました。

この日から、妻と私、そして子供達、家族の、癌との戦いが始まったのでした。





このブログでは、妻の闘病210日間を描き、私たち家族の運命への抗い、苦悩の姿を描き、私から、いずれ大きくなる子供達に真実を伝えることを目的としています。

それと同時に、同じ悩みを抱えている人たち、現在健康な生活を送っていて、それが当たり前であると思っている多くの人たちに、知らしめたい事があります。それは、私たちの癌と言う病気への対処法、情報の得方であったり、今ある生活のありがたさ、幸せの重さなどです。

もちろん人それぞれ受け取り方は違うでしょうし、全てが伝わるとは思っていません。でも、何か参考になる事があるのなら、何か感じていただける事があるのなら、幸いだと思っています。ご意見ご感想等あれば、コメントにてお寄せください。

なお、当方、医療に関してはずぶの素人でもありますので、情報を受け取る方も、その点予めご了承ください。誤謬等のご指摘も歓迎します。最新の知見は、きちんとした医療機関より入手されることをお勧めします。

また今後の記事は特に更新日を決めず、不定期掲載といたします。記事では個人を特定させる情報を掲載しない様配慮いたしますが、団体名については明記したいと思っています。

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